学部教育

学科紹介

九州大学医学部は1903年に県立福岡病院をもとに勅令により誕生しました。現在の病院キャンパスには、我が国最大級の九州大学病院や講義研究棟、放射線実験センターや動物実験施設などの各種研究施設が立ち並びます。また、病院キャンパスには医学のみならず、歯学、薬学、保健学、医療経営・管理学などの医学に関連する学部・大学院の講義棟や研究施設が集まっており、九州大学における医学・生命科学の教育・研究拠点となっています。キャンパス内の小径には、世界の医学・医療に貢献した九州大学医学部が誇る6名の諸先輩(大森治豊初代学長、稲田龍吉教授、宮入慶之助教授、田原淳教授、久保猪之吉教授そして橋本策博士)の名がつけられ、先人の偉業を称えています。
 

九州大学医学部生命科学科の目指すこと

本学科は医学部に設置された生命科学科です。
近年、異なる分野間の融合や、新たな科学技術の発展により、新しい学問領域が相次いで出現しています。生命科学の分野においても、バイオインフォーマティクス、システム生物学、ナノバイオロジーを含む先端医学領域の展開がみられています。これらの分野における先駆的な研究の推進には、これまでの医学部教育で行われてきた医学、医療に関する総合的な知識に加え、生命医科学関連の専門的な理解や情報処理能力が不可欠であり、情報科学などの領域との融合に的確かつ柔軟に対処できる能力が求められています。 
従来の医学部(医学科)の教育は解剖学、生理学、病理学、社会医学、臨床医学などの他の学部にはない科目を中核に、人間を対象として体系的、網羅的に学ぶ特徴があります。このような教育を受けた人材は人間科学としての生命医科学を見渡す広い視野を持ち、その視点から問題設定を行うことができると考えられます。
このような状況を踏まえ、本学科では先進分野の専門知識や情報処理に関する高度な教育を受けた上で、人間を対象とした次世代の生命医科学領域の研究を担う新しいタイプの研究者を養成します。そして、様々な生命科学関連分野へ人間科学という幅広い視点を有する人材を積極的に輩出したいと考えています。
 
 

生命科学科の教育

九州大学では、一般教育科目とよばれる教養科目と学部によって異なる専攻教育科目を学びます。
本学科では、専攻科目として、医学科の学生と共に学ぶ基礎医学の科目、将来の生命医科学研究者の育成のための生命科学科独自の科目、早期に研究に触れることを目的とした早期研究室体験実習や生命科学特別研究、国際的に活躍することができる人材育成を目的とした科学英語などを学びます。
また、高年次には分子細胞生物学、高次機能制御学、生体情報科学、臨床医学等の講義を通じ、最新の研究に関する知識を習得します。
 

医学教育

基礎医学の科目

基礎医学の講義、実習(解剖学・生化学・生理学・薬理学・免疫学・細菌ウイルス学・衛生学)を受講します。基礎となる医学の知識と、種々の実習科目において基本的な実験操作を習得します。

医療系統合教育科目

近年の急速な科学の発展や社会環境の変化によって高度化、細分化した医療は、 より幅広い知識や技術を有する医療従事者を求めています。九州大学では、医療分野における医、歯、薬学部生の多職種間教育(合同授業)を実施しています。生命科学科でも「医工連携」、「漢方医薬学」などの授業を受講することが出来ます。
 

生命科学独自の教育

早期研究室配属

3年次前期に、実際の研究室に身を置き、研究チームの一員として働くプログラムです。 研究者としての自覚や倫理観の養成、研究室の基本的な知識やルールを学ぶこと、そして協調的な学習環境の中で、問題解決能力を高めることを目的としています。

生命科学特別研究(卒業論文研究)

希望の研究室を選択し4年次前期から1年間卒業研究に取り組みます。教員の指導を受けながら、自ら進んで考え実験を繰り返し、研究を進めていきます。研究の結果は論文とプレゼンテーションにまとめ、卒業研究発表会で発表します。

より積極的に取り組むことや研究に対する論理的思考や自分の研究に関して科学的に正しく説明する能力などが培われます。

研究分野での受入れ

学府(大学院)の各研究分野(研究室)では基礎医学研究、臨床医学研究を行っています。通常、研究室に所属し本格的に研究を始める場合は大学院に進学しますが、研究室により生命科学科在学中の学生の受入れを行っているところもあります。

国際的に活躍する人材の育成

国際的に活躍するためには高い英語力が不可欠です。本学科では外国人講師による英語教育(科学英語)を行っています。これは英語論文の読解だけでなく、コミュニケーション能力の習得を目標にしています。また、3年次の早期研究室配属での研究成果を基にポスターを制作し、模擬国際会議として英語でのポスター展示、発表も行っています。
 


 

海外研修

九州大学では、学生が語学力を身につけるための海外研修プログラムを行っています。本学科の学生も、夏休みの期間などを利用し参加しています。


その他にも学生に必要である様々なセミナー、シンポジウム、研修の紹介を行っています。


 

教育体制

医学科の教育指導は、医学研究院所属、九大病院所属、生体防御医学研究所属の教員が連携して行っています。また、教務委員会でカリキュラムの問題点を見直しながら、時代に即した教育を目指しています。
研究院についての詳細は、こちらをご参照ください。
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