学生生活

2013年06月11日

専攻教育

平成25年度生 生命科学入門 体験学習②


九州国際重粒子線がん治療センターにて


平成25年6月6日(木)の「生命科学入門 体験学習②」では、生命科学科1年生15名は、鳥栖エリアにある九州国際重粒子線がん治療センター並びに久光製薬関連のくすり博物館等の見学をしました。

最初の訪問施設は、6月1日に鳥栖に開院した九州国際重粒子線がん治療センター(通称:SAGA HIMAT)で、副センター長の塩山先生にご案内いただきました。高齢化社会を向かえた日本では、今や二人に一人はがんに罹患する時代となっており、我が国4か所目、九州では初となる重粒子線の治療施設への期待は高まっています。初めに2階のカンファレンス室で塩山先生から、広がるがん治療の選択肢の一つとしての放射線治療について導入のお話をしていただきました。従来からのX線・γ線等の光子線による治療(保険適用)とは異なり、先進医療と位置付けられている粒子線(炭素線)の特徴について丁寧に説明していただきました。センター内では水平と垂直の2方向からビームを照射する治療室Bを中心に見学し、具体的な治療手順を伺うことができました。


お昼は、車では直ぐ近くにある動物業者の九動で、齋田社長さん他社員の皆さんの歓迎を受け、ランチョンセミナー形式で鳥栖名物の「かしわ弁当」を提供していただき、実験動物を用いた研究の重要性をお話いただきました。


次の中冨記念くすり博物館では、館長の山川さんにご挨拶いただきました。案内役の相原さんには、入口ロビーの壁面を飾る「生命の種子:SEMI DI VITA(チェッコ・ボナノッテ作)」や、1階展示室にある19世紀末のロンドンの調剤薬局を移設再現したアルバンアトキン薬局(Alban Atkin Chemists)、さらに2階展示室では「田代のくすり」、復元された江戸時代の薬舗、生薬の理解のための色々な展示等について、丁寧にご説明いただきました。古くからの薬の製造過程等で使用された機器や道具、くすりの配置行商に関する展示と、人と「くすり」の歩みを理解するのにとても役に立つものだったと思います。


最後に訪問した久光製薬鳥栖工場では、スライドによる会社と製品の説明を受けた後、きれいに清掃された敷地内のサロンパス並びにモーラスの2つの製造工場の見学をしました。1847年(弘化4年)に小松屋としてスタートした会社は、貼り薬(TDDS: Transdermal Drug Delivery System 経皮薬物伝送システム製剤)に特化して研究開発・製品化を進め、常に改善を続けてこられたことを知りました。限られた時間でしたが研究所で活躍されている九大のOB・OGの方との対話もセットされ、学生達の興味を引いたようです。


今回の訪問先は4箇所と多かったのですが、鳥栖エリアで完結したのでコンパクトな見学でした。夕方5時頃に、無事に伊都キャンパスに戻りました。
■ 学生の感想文[PDF]
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