学生生活

2013年07月26日

全学教育

平成25年度コアセミナー

 
取組みの様子(V班)
 「コアセミナー」は、学生が4~6名程度の少人数グループに分かれ、学習テーマから自分たちで学ぶべきことを導き出し、調べ、話し合い、理解を深めながら問題を解決していく学習方法です。この学習方法は、1994年の医学科新入生を対象に始まり、2006年から全学教育の「コアセミナー」として九州大学の全学部・学科に採用されています。

 グループにはチューターとして指導教員(原則として担任教授、あるいはその分野の教員)が1名ずつ配置されています。チューターはグループ学習の進め方、調査や発表の仕方などについてアドバイスをしますが、あくまで学生が主体となり、学習のプロセスを計画し、実行していきます。これはこのプログラムが、どのようなプロセスを経て学ぶのかを重視しており、学生がそのプロセスで「学び方を学ぶ」、「考え方を学ぶ」という力を身につけ、生涯にわたって、自律的、能動的に学び続ける「アクティブ・ラーナー」となることを目的としているからです。

 学習した成果は、最終的に1つのプロダクトとしてまとめ上げ、プレゼンテーション・ソフトウェアを使い、最終日に臨床講堂で行われた学習成果発表会でグループ全員が発表しました(各グループの持ち時間は25分間)。したがって、当日を迎えるまでに、他の人にわかりやすく説明できるまで深く調べ、考え、理解しておくと同時に、発表のスキルも研鑽できます。成果発表会では、自分たちが発表するだけではなく、他のグループの発表に対して質問をすることも経験します。

 各班は、6月13日(木)から各チューターに配置され、7月11日(木)に成果発表会を行いました。
臨床講堂で行われた発表 質疑応答 質疑応答

 「コアセミナー」の評価は、知識、技能、態度の側面から行われ、さらにチューターによる個人内評価が加わります。また、学生もチーム作業を自己評価します。協働作業における各人の得意・不得意を評価し、不得意を克服するためにどのようにチームでカバーするか、そして個人が努力するかを、作業半ばと最終日に振り返り、チームとしてのパフォーマンス向上をめざします。将来の方向を自分で、仲間たちで計画できるようになること(自立)はこのコースの大きな目標です。


[文責:医学教育学教授:吉田 素文]


学生感想文

 T班 移植医療について考える~ 
 
発表の様子(T班)
 私たちの班は「移植医療について考える」というテーマに取り組みました。その中でも脳死における臓器移植と家族の心情、世界と日本の移植医療の比較、臓器バンクの提案、iPS細胞、細胞シートといった各自の興味のある分野について調べ学習をし、その情報をみんなで共有することでお互いに知識を深めることが出来ました。移植医療という深いテーマでしたが、各自で向き合ってしっかりと考えることが出来たと思います。発表準備に関しても班員全員が協力して計画どおりに進めることが出来て良かったと思います。将来研究者を目指すうえで現在の医療も現状を理解することは大切だと思うので、いい機会をいただけたと思います。

 U班 狼男をつくるのは可能か? 
 
発表の様子(U班)
 今回、私たちの班のコアセミナーはテーマを先生から与えられることなく自分たちで研究課題を考えることから始まりました。メンバーの話し合いの結果、ハイブリッド生物について調べることにしました。いざ調べ始めてみると、あまりにも資料が少なく、倫理的に実験をすることが不可能であることを知って「自分たちの調べているものは世間的にはまだ進めることのできない研究分野なのだな」ということを改めて感じました。しかし、自分たちが研究者となるとき倫理問題は必ずぶつかることなので、むしろこの機にしっかりと学習することができてよかったと思います。結局それが発表そのものには生かすことができませんでしたが、目野先生が仰ったように「十調べて一、二を発表する」という風にたくさんの資料を持って発表に臨むことができました。このコアセミナーでは、綿密な裏付け調査の大切さを知ることができたと思っています。

 V班 タマネギのDNAから教えられたこと 
 
発表の様子(V班)
 私たちの班は、玉ねぎの細胞からDNAを取り出す実験を行った。この実験は、小、中、高校においても行われているが、私たちはさらに各実験過程の意味を知ることの重要性を理解すること、そして、実験過程や結果に疑問を持ち、追究してゆくことを目的とした。実際に実験を行ってみると、自身らが思う通りの結果が出ないことも多く、失敗した原因の考察など、非常に苦労した。何気なく経ていた過程も、きちんと理解しようと調べると、原理が複雑であったり、複数の役割があったりなど、思いがけない発見もあった。最終的に、純度の高まったDNAを取り出すことに成功すると、大きな達成感が得られた。また、人に発表するにあたって、視覚的な効果や、説明など、工夫するべき点が多く出て、人に伝える難しさを知った。私たちは、コアセミナーを通じて、研究者としての姿勢や、成功したときの達成感、そして人に伝える工夫の仕方を学ぶことができた。

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