学生生活

2015年06月12日

専攻教育

平成27年度 生命科学入門 体験学習①

 


    平成27年5月21日(木)に生命科学科2年生(第9期生)12名は、学科長の康先生並びに引率教員の續と一緒に、「生物学的医薬品」開発・製造の拠点の一つである熊本県の一般財団法人化学及血清療法研究所(通称:化血研)の見学をしました。
   朝9時に九大のマイクロバスで病院キャンパスを出発し、化学及血清療法研究所 菊池研究所には11時頃に到着しました。最初に厚生会館「こもれび」2階の会議室で研究推進部の岡課長さんから化血研全体の事業内容についてDVDを用いての説明を受け、その後、お二人の九大出身の方(野宮さん、下村さん)との交流並びに施設内の所員食堂で昼食をとりました。
  
  
  その後、同じ敷地内の遺伝子組換えアルブミンを製造するKR工場を見学しました。最初にパネルで製造工程についての説明を伺い、多段階の空調システムで厳密に管理された部屋を、見学者にも配慮された大きなガラス窓越しに見ながら、組換えアルブミン遺伝子を導入した酵母を大量に培養・処理する工程の流れを理解することができました。酵母細胞内で合成されたアルブミンは細胞外に分泌されるように工夫してあり、培養液中のアルブミンを回収し、数段階の通常の実験室レベルとは比べようもないくらい巨大なカラムクラマトグラフィーシステムによる精製が行なわれていました。
  
  次に、新型インフルエンザワクチン原液工場(FC棟)を見学しました。約4,000万人分のワクチンの製造能力を有するシステムでは、動物の培養細胞の系でパンデミック対策用のワクチンを製造する方法が採用されていました。今後のより多くの需要に対応するために増設計画があるとのことでした。
  
   その後、本所へ向かう途中では配送センターの施設を見学し、また、本所の建物内の季節性インフルエンザHAに対するワクチン製造の施設(M1棟)を見学しました。見学時はその日の製造作業が終了して、システムの洗浄・消毒作業等が行われていました。この施設では、契約農家から搬入される有精鶏卵にウイルスを感染させ、大量に増殖させた後に、ウイルス粒子を精製して処理する方法がとられていました。
   
  限られた時間の滞在でしたが、施設見学中には多くの九大卒の所員の方達との質疑応答で理解を深め、「感染症や疾病の予防と治療に貢献し、国民の健康に寄与する」という理念の下で、多くの方達が日々取組んでおられる一端を垣間みることができました。

見学の様子

 

 


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