在学生の声

在学生の声

興味を持ったことには全力で取り組んでください。
知っているということは無駄にはなりません。


平成27年度 生命科学科4年 本名 嶺治さん

本学科を選んだ動機を教えてください。

 もともと生物系に興味があり、農学部や理学部の生物学科等も考えていたのですが、医学部にある生命科学科であることから九州大学の生命科学科を志望しました。 ヒトや疾患を対象としていて、他の動植物を対象とするよりは身近に感じ実感しやすいことと、私自身が医療系に興味を持っていたこともあり、志望しました。
 

入学してからの感想をお願いいたします。

 志望した時からわかってはいたのですが、同期の人数の少なさには驚きました。しかし、学科主催の懇親会なども開催され、学年を問わず交流を持つことが出来、1年次に全学教育を受ける時も生命科学科で自然と集まるなど、縦、横のつながりが強いことは少人数制の良いところだと思います。卒業生の方々とお話する機会もあり、実際の研究の話を聞くことができますし、学科のつながりで情報共有が出来ています。

 学習面ではひとつでも単位を落としたら留年なので、試験前の緊張感はかなりあります。講義内容は私の希望と合致し、充実していました。ただし、臨床医になりたかった人が医学を学べるということで入学されるのはお勧めしません。学ぶにつれ、余計に臨床医への希望が強まると思います。この学科を卒業しても医師国家試験は受験できませんから。
 

実際に研究に取り組まれた感想をお願いします。

 はじめのうちは研究がどのようなものなのか想像もつかなかったのですが、3年次の早期研究室配属で実際に取り組み、楽しいと思いました。手技を考え、実験を行い、その結果を考察するという一連の流れにやりがいを感じました。指導してくださる先生がたのアドバイスを受け、読んだ論文の照合などをし、納得の出来る考察ができた時は特に楽しいです。また実験という作業そのものも向いていると思います。座学で学ぶより、実際に体を動かしての作業が楽しいです。

生命科学科のカリキュラムについての感想をお願いします。

英語のポスター発表会
英語のポスター発表会
 コマごとに異なる先生がご担当し、先生の取り組まれている研究に関した授業があり、多くの研究室の内容を知ることが出来、研究室を選ぶ上で役に立ちました。また、選択科目ですが、情報の授業があり統計処理ソフトの操作を学ぶことが出来、後に自分の研究で結果の検定を行うときに役立っています。 3年生の後期では1ヶ月毎に希望する研究室に参加し、様々な研究室を体験できるプログラムがあります。私は4つの研究室を回った上で、早期研究室配属でお世話になった研究室で卒業研究を行うことにしました。また、英語の授業の一環で、早期研究室配属での研究内容を英語のポスターにして発表を行うというものがありますが、このときの経験は私が実際に学会でポスター発表を行うときに役立ったと思います。

 総じてカリキュラムが研究を行うことに向けて、よく考えて組まれているなと感じました。

課外活動で印象に残っていることを教えてください。

第38回日本分子生物学会 ポスター発表
第38回日本分子生物学会 ポスター発表
 4年生の12月の時に、神戸で開催された第38回日本分子生物学会でポスター発表をしたことが印象に残っています。 4月に卒業研究で今の研究室に配属された時に教授から発表するよう勧められました。「学部生が出せるのか。」と驚いたのですが、それをひとつの目標に卒業研究を進めました。
 発表では、質問をされた方が読んだことのある論文の著者の方で、研究の助言をいただくことも出来、とても嬉しかったです。一方で、外国の方から英語でされた質問にうまく答えることができず、英語で書いたポスターを指し示して答えに代えたりと悔しい思いもしました。また、他の人の発表を聞くことはとても勉強になりましたし、自分の研究分野とは直接は関わりのないテーマの研究を知り見聞を広めることもでき、これら全てが今後の自分の糧となるような貴重な経験となりました。学部生のうちからこのような経験が出来たのはとてもありがたかったです。

部活動についてお聞かせください。

第54回九山大会軽音楽部門レセプション
第54回九山大会軽音楽部門レセプション
 部活動は軽音楽部に所属し、ギターとベースをやっていました。活動は2ヶ月に1回程度、ライブハウスを借りて演奏するので、その1ヶ月ほど前から練習をする感じでした。練習自体はひとりで自宅でも出来るので2年生の時は練習にのめりこみ過ぎ、勉強の方が危うくなるところでした。軽音楽部の大きなイベントは九州山口医科大学体育大会での軽音楽部門への参加です。優劣を競う大会ではなく、ホールを借りて他大学と合同で演奏を行い、純粋に音楽を楽しむというイベントです。軽音楽部の活動を通じ、医学科、保健学科、歯学部の友人も出来ましたし、他大学とも交流を持つことが出来ました。生命科学科以外で交流の幅も広がるし、いい気晴らしにもなりますし、部活動はやっていてよかったと思います。

これからの進路を教えてください。

 大学院医学研究院医科学専攻 修士課程に進学し、早期研究室配属と卒業研究でお世話になった神経病理学分野で研究を続けます。授業を受けているうちに病理学に興味を持ったこともありますし、基礎医学の研究室であっても臨床に近い分野であるということや、早期研究室配属の際、岩城教授から熱心なご指導をいただけたことが大きな理由です。

研究内容について教えてください。

卒業研究発表会
卒業研究発表会
 卒業研究で認知症のひとつであるアルツハイマー病における、あるタンパク質の変動を研究しました。アルツハイマー病の病理変化との関連を疑い、九州大学が行っている久山町研究で得られた試料を用いながら、現在も研究を続けています。4年生の4月から研究を始めましたが、1年間ではできることに限りがあると感じ、修士課程へ進学し、もっと研究を深めたいと思いました。今まではヒトの剖検脳を使用しての研究でしたが、今後は培養細胞やマウスを使用した研究を行っていきたいと考えています。

 アルツハイマー病については、今の研究室で教授に研究テーマとして提示されてから強く興味を持つようになったのですが、認知症患者の増加や今後の社会変化を鑑みたときに、今この時期にこの研究を行えることはすごくやりがいがあることだと感じています。アルツハイマー病の病態解明や治療に、直結とまではいかなくても関連してつながってくれたらと願っています。 また、座学で学んだことは、全ては研究の基盤になっていると感じています。私の場合は実際に罹患された患者さんの試料を用いて研究していますので、基礎医学はもちろんですが、臨床の授業で学んだ病態や治療法が症状のバックグラウンドを知ることに役立っていると思います。

最後に研究者を目指す学生にメッセージをお願いします。

 興味を持ったことには全力で取り組んでほしいと思います。学習面では内容が具体的に何に繋がるか想像ができなくても、後に役に立ったという場面を、研究を通じて何度も経験しました。また、これは学習だけでなく、部活動や趣味でやっていたことでも当てはまります。知っているということは決して無駄にはなりませんし、面白いと思ったことには手を抜かず全力で取り組んでください。

 また、やりたいことが決まっている人は早めに取り組むことをお勧めします。私の場合は研究分野がすぐには定まらなかったため4年生になってから研究を始めましたが、興味がある分野が決まっている人は早めに研究室の門を叩いてください。学部生のうちからもっと研究を深められると思います。
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