2005.05.31
◇ホクロのガン診断に高度先進医療
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最近は美容整形やスキンケアクリニックなどといわれて、ホクロをレーザーで消す治療が盛んに宣伝されている。ところがホクロを安易に考えてはいけない。よく似たものに悪性黒色腫というのがある。いわばホクロのガンだ。
ホクロと黒色腫の見分け方は、まずダーモスコピーと呼ばれる拡大鏡を使って皮膚の色素の分布状況を見る。ホクロの場合は一定の縞模様を見せるのに対して、黒色腫は模様が不定形に広がった様になっている。黒色腫は早期発見が第一で、放置すると肺、肝臓、脳などに転移するとても怖いガンだ。
研究院皮膚科学の古江増隆教授は、センチネルリンパ節に遺伝子診断を行い転移しているかどうかを早期に発見する方法を開発している。すでに高度先進医療の認可を受けて、九州大学病院では約30例に実績を上げている。
センチネルとは見張り役の意味だ。一定のエリア内を流れるリンパ流が最初にたどり着くという意味で、センチネルリンパ節という。その場所を探すのが容易でない。そこで古江教授は、黒色腫の部分にフチン酸という放射性物質を注入して、その流れを放射線検知器(ガンマプローブ)でさぐりその存在場所に目星をつけた。次にブルーの色素でリンパ管の流れに色を付けて同リンパ節の位置を確認する。
そのセンチネルリンパ節一つだけを摘出して、ガンの遺伝子を診断する。黒色腫には特有の4つの遺伝子がある。それがなければ転移していないので、ほかのリンパ節を切り取る必要はない。今までは、転移を心配する医師の判断次第で、センチネル以外のリンパ節も切除したために、むくみや痛みを伴うリンパ浮腫が起こり、手術後も患者に大変な苦痛を与えてきた。



