Q&A

受験生向けQ&A

受験生の皆さんからよく寄せられるQ&Aを掲載しています。生命科学科についてご質問がある場合は、まずこのページをお読みください。ここに掲載されている内容の他にご質問がある際は、下記担当係までお問合せください。
問い合わせ先
 九州大学大学院医系学部等学務課医学学生係
 Tel:092-642-6020/092-642-6021
 Mail:ijgigakuka@jimu.kyushu-u.ac.jp 列-B

 

生命科学科について

生命科学科と他大学の理学部系との中身の違いは何ですか?

生命科学科での教育は、「人間科学」の視点に立つという思想で構成されています。
基礎医学に関する教育はかなりの部分(時間)を医学科の学生と一緒に受講します。
従って共有する時間の中で、若い時からの信頼関係に基づく付き合いは、医師として直接患者さんと接して医療に従事する友人と連携して、「ベッド(臨床の現場)」から提起され た問題を「ベンチ(基礎実験)」で解明を目指す、そしてその成果を次ぎに「ベンチ」→「ベッド」へと反映するという過程 で、極めて有効であろうと考えます。
もちろん医学部医学科に入学した学生の中にも少数ですが、研究者を目指す若者はいます。
医学教育カリキュラムの特に基礎医学部分に関しては、理工学部よりはるかに効率良く系統的に、しかも時間をかけて丁寧に学習することになります。

生命科学科の学生は、人体解剖をするのですか?

解剖学実習は医学科の学生とともに骨学実習が1学年後期に、組織学実習が2学年前期にあり、肉眼解剖学実習は2学年後期にあります。
このうち肉眼解剖学については医学科の実習で系統解剖が進行中のご遺体について学ぶため、自らメスを持って解剖する事はありません。実習時間も医学科の1/6程です。
解剖実習は人体の基本構築・構造を理解し、その機能について学習する上で、欠く事のできないものです。
また献体運動の背景・意義・実際を理解し、献体に対する感謝の気持ちと、その期待に応える責任と自覚を持つことができるようになります。生命科学科の学生さんにとっても、人を対象とする生命科学を推進する使命感を高める上で、重要なステップになると考えています。
さらに人の病気のモデルとして動物実験を行なう時、人体との相違点を理解して解析できることは大きなアドバンテージとなります。
[神経病理学分野:岩城教授]

生命科学科でも留学制度は使うことが出来るのかが知りたいです。

九州大学に入学した学生さんで、大学あるいは部局(学部のこと)単位で、学生の交流協定が締結され、その中に「単位の互換性」が明記してある対象大学(学部)へ留学する場合を除いて、卒業認定のための単位を取得することが必要です。
長期の留学を希望する場合は、この辺りを個別に調べておくことをお薦めします。そうでないと、卒業時期がずれることも考えられます。
九州大学には、色々な国際交流活動が準備されており、学生のニーズに応じて、独自の学生生活を過ごす選択肢があります。どのような形で「留学」を希望しているのかによりますが、今年から取組んでいるものとして、医学部生命科学科の学生の中には、夏期休暇期間を利用してサンフランシスコ郊外のモントレー(現在はサンノゼ)で4週間の語学研修プログラムに参加している学生も居ます。
この他、大学院に進学後にアメリカのバイオ関連の企業の研究所へのインターンシップ等を、将来のプログラムとして可能性を検討している最中です。大学院修了(博士号取得)後に、博士研究員(ポストドクと呼びます)として、一時期を海外の大学や研究機関に給与をもらって働きながら研究を進めることは、生命科学系の研究者の一般的なキャリアパスとなっていますので、学部学生時代に限らず、「留学」の機会は多いとお考えください。
そのためには、基礎的なコミュニケーションの手段としての英語力が必須ですので、生命科学科のカリキュラムの中では、「科学英語」を中心に教育することになります。

医学部生命科学科では、どのキャンパスで授業を受けることになりますか

生命科学科学生は、主に伊都キャンパスと病院キャンパスで授業を履修します。
各学年で、どこで授業を履修するかは次の表を参照ください。
学年 病院キャンパス 伊都キャンパス
1年生   5日/週
2年生~4年生 5日/週  

入学試験(一般入試)は、病院キャンパスで実施します。

学費はどのくらいですか

授業料及び入学料は、http://www.kyushu-u.ac.jp/student/life/expenses.phpを参照してください。
そのほか、テキスト代等の教材費が必要となります。

大学生の研究内容がレベルが高くて、もし入学したとしてもついていけるかなと心配になりました。 大丈夫でしょうか。

医学部生命科学科では、入学して来た学生さんが、無理なく4年生の時点で生命科学特別研究(いわゆる卒業研究)を実施できる所まで、能力を高めるためのカリキュラムを策定しています。途中で難しく不得手な科目があっても、学習意欲を失うことなく継続することで基本的には克服できると考えます。
高校で懸命に頑張って入学試験の難関を突破された学生さんは、入学した直後は、誰でも同じラインからのスタートとなります。つまり、それぞれの夢(将来のキャリア)に向かって新しく学びを始めることになります。それぞれの学年で取得すべき単位が定められており、日頃の学習の積み重ねによりこの基準を突破できれば、自然と実力はつくものと考えています。

私は高校で物理を履修したので、生物を勉強していません。そのような者が九州大学医学部生命科学科を目指して問題はないのでしょうか。

高等学校の「生物」を履修しているのが望ましいのは事実ですが、受験科目としては指定していないので(大学入試センター試験並びに個別学力試験)、「物理」「化学」のみで入学してくる学生さんがいます。入学してから、1年生の時に関連する教科の学習を進めながら、「生物」履修者よりも少し意識して学習することで、その後の授業科目の履修や研究活動に支障が無いように努力することはできます。生命科学領域の研究は、幅広い学問の上に立脚しています。将来何を目指すのかを考えながら、貴君/貴女の入学後の学習次第ということで、興味があれば是非挑戦してください。

卒業後の進路についてお尋ねします。私は大学院の博士課程まで進学してから大学の教員になることを希望しています。博士課程修了後にすぐにそのような職に就けるものなのでしょうか。

生命科学科の学生さんには、4年制の学部を修了した後、それぞれの興味によって選ぶ大学院が異なることはあると思いますが、九州大学であれば、できれば大学院医学系学府医科学専攻修士課程(2年間)に引続き、博士課程(4年間あるいは早期修了の場合3年間)の大学院コースで研究者として活躍するための十分な基礎生命医科学領域 のトレーニングを受けて欲しいと思っています。同じ九州大学の大学院システム生命科学府(博士課程5年一貫コー ス)の進学のオプションも考えられます。ただしこちらは、理学部生物学科卒業の学生が多く進学するコースです。もちろん、他の大学の大学院進学も選択肢としてはあると思います。
最近は、博士課程を修了して博士号を取得した後に、多くは博士研究員(ポストドクと略称)として2~4年間程、同じ研究室に残って研究を継続したり、新たな領域に挑戦すべく海外の研究室に留学した後に、「助教(従来、助手と言っていた職位)」という教員のポジションに就くコースが考えられます。
「助教」というポジションも大学や学部によって様々ですが、研究に力点を置いたものと、いわゆる学部生を対象とした教育に重点をおいたポジションの2通りがありますので、本人の希望・適正によって選ぶことになります。博士課程修了直後に「助教」のポジションに就くケースも無い訳ではありませんが、最近は研究の実績を積んでから教員になるのが一般的となってきています。

入学試験について

高い英語能力が必要とされるようですが、大学入学時には、どの程度のレベルが必要ですか?

受験生の皆さんにとっては、先ずは大学入試を突破することが最低条件となると思いますが、今年度の入試結果を分析すると極めて優秀な成績の者が入学してきており、充分な英語の語学力があると考えられます。さらに生命科学科の卒業生には世界的な視野を持って将来活躍をして欲しいと思っていますので、科学英語を含めて英語の学習に力点をおいた教育プログラムを設定しています。
また現在、米国での語学研修カリキュラムについても検討していますので、これらに十分に対応できる英語力が必要となります。海外での語学研修に参加するための一つの目安として、英語検定2級程度の会話能力があることが考えられます。

説明会について

高校生向けの大学説明会の参加方法は? また、説明会後開催の研究室訪問への参加方法について教えてください。

【説明会への参加方法】事前申し込みは特に必要ありません。
【研究室訪問への参加方法】 事前申し込みしていただき、当日資料等をお渡し致します。

研究室訪問は自分が希望する研究室を選択できますか?

なるべく要望にお応えしますが、研究室の広さの関係で、希望に添えない場合もあります。

生命科学科のパンフレットが欲しいのですが・・・。

生命科学科のウェブサイト内に、パンフレットの内容を閲覧できるページがありますので、ご確認ください。
パンフレットを送って欲しい場合は下記の要領で申し込んでください。
返信用角2の封筒に140円切手を貼り、住所・氏名を記入(ア)。
(ア)を同封し、
下記まで送付してください。
〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
九州大学学務課医学学生係
※封筒の表に、「生命科学科パンフレット希望」と記入してください。

個別テーマ

幹細胞の研究等はできるのでしょうか?

九州大学大学院医学研究院では、平成24年度に応用幹細胞医科学部門が新設され、最先端の幹細胞研究に取り組んでいます。
現在この部門には、神経幹細胞、造血幹細胞、生殖系列細胞を専門分野とする研究室が配置されています。これらの細胞は、 培養皿の上にて胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)から誘 導することが可能であるため、再生医療応用への観点からもこの他の研究室における ものも含めて、ES細胞やiPS細胞に関する研究も精力的に行われています。ま た、本年度からは幹細胞学に関する授業も開始される予定です。従って、本学部では 幹細胞の基礎から応用までを見据えた最先端の研究を行うことができます。

がんを治療する研究はできますか?

質問は「がんの治療に結びつく」研究ができますかということだと思います。
身内にがんで亡くなった方がおられるということで、何とか治療法を見つけたいというのが動機だと思いますし、それに向かって取り組むことの意味は大きいと思います。
医学部生命科学科はその設立の趣旨にも記載していますが、ヒトの健康科学に基盤を置いて、疾患を理解し、将来の 診断法や治療法、さらには予防に繋がる研究に挑戦する人材を養成することを目標としています。
一口に「がん」と 言っても、身体の中の発生する部位によって、随分と特性が異なります。
「がん」撲滅を目指した研究は、国内はおろか世界各地の多くの研究室で日々取組まれています。何か一つのことが分かったからと言って、全てのがんに適用で きるような治療法であると言いきることは難しいですが、それぞれのがんの個性を理解して、外科手術に加え、抗がん剤と言われる薬剤や免疫細胞を応用した治療、さらには放射線治療等を含めた、様々な有効な治療法を駆使して治療するための取組み(集学的治療)が進んでいます。
医師は目の前の患者さんを対象に取組みますが、医学部生命 科学科の卒業生にはできれば大学院に進学してさらに研鑽を積んで、将来の患者さんのために日々挑戦する人材として育ってもらいたいと思っています。
医学研究院の基礎放射線医学(分子遺伝学)分野では、活性酸素によってDNAに生じる傷を修復する分子的なメカニ ズムに注目して、ヒトを含む生体が、如何にして酸化的なDNA損傷によって引き起こされる突然変異や発がんを起こさないようにしているのかを、遺伝子操作したマウス個体を用いて研究しています。
そのような研究の過程で、ある種の大腸がん(消化管がん)のモデルマウスを樹立でき、臨床系の大学院生等と一緒に研究をしていますし、基礎医学の先生方と一緒に、ある種の化合物でがんの治療効果がどうかというような研究も並行して進めています。
ここでは、「がんの発生を抑えるメカニズムの研究」について少し詳しく説明しましたが、国内だけでも色々な大学に多くの「がんの研究者」はおられます。多くの研究者が文部科学省からの研究費補助金(がん研究に係わる特定領域研究)等を受けて、研究を進めています。九州大学医学部には、沢山のがんの研究者がおられますので、医学研究院の研究と組織のURLで、それぞれの分野のウェブサイトを覗いてみられては如何でしょうか?興味を持たれたら、是非チャレンジしてみてください。
参考URL:医科学専攻研究室案内
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