在学生の声

在学生の声

大学に入学すると高校の時と比べて格段に世界が広がります。
いろいろなことにチャレンジしてください。


平成23年度 生命科学科4年 塩川 萌さん

 

研究者を志したきっかけを教えてください。

 高校の頃、生物の科目が好きだったので、大学で実験をしたいと思っていました。また、人の命にかかわる医学についても興味を持っていました。
  志望校を決める時、始めは農学部に進学してバイオテクノロジーなどの研究をしようかと思っていたのですが、高校3年生の7月に九州大学医学部生命科学科のことを知って、医学部の中にある生命科学科であり、医学も学べて研究もできる、私にとっていいとこどりの学科だと思い、志望校を九州大学医学部生命科学科にしました。

入学してからの感想をお願いいたします。

 2年生の前半までは、基礎医学の授業を医学科生徒と一緒に受けていました。授業内容は、とても重厚といった感じでテストも大変でした。幅広く学ぶので、その時はその知識がどこでどう役立つかはわからなかったのですが、4年生になって卒業研究に取り組むようになり、授業を受けていてよかったと実感できることがありました。

卒業研究などで、実際に研究に取り組まれた感想をお願いします。

 卒業研究では、生体防御医学研究所の福井教授の免疫遺伝学分野で免疫細胞の運動に関する研究をさせて頂きました。それまでも短期間他の先生の研究室を訪ねて研究に取り組ませて頂いたことあったのですが、卒業研究では、それとは比較にならないくらいの密度で、日々研究に取り組みました。免疫学の研究室を希望したのは、高校の頃、生物の教科書の資料集など見て「免疫って興味深い」と思っていたからです。免疫の異常で起こる病気はとても恐ろしいもので、本来外部から体内に侵入した菌を攻撃するものが、自分の体を攻撃することもあるのです。そういった自己免疫疾患の治療に役立つような研究はやりがいがあると思い、卒業研究でお世話になることになりました。
 実際に研究に取り組んでみると、高校生の時にはイメージ出来なかったような細かい点まで実験の手技や条件に気を配る必要があることに驚きました。しかし、研究を進めていくうちに、そこまでやらないと実験結果を検証できないことがわかり、その必要性と重要性に気づくことができました。ひたすら手を動かし実験をして一日が終わることもあり、一つのことを証明するのは一朝一夕にはいかないこと実感しました。ただそれでも嫌になることはなかったので、性に合っているのかもしれません。実験を進めていく中で、おっと思う結果を導くこともでき、それが次の研究のやる気につながるのだと思います。

大学生活で印象に残った出来事はなんですか。

新入生サポート
新入生サポート
 大学2年生の時に新入生サポートに参加したことです。
これは、新入生が大学生活に早く馴染めるよう大学2年生がサポートする九州大学のシステムで、様々な学部の2年生が立候補や教授や職員さんからの推薦でサポーターとなり、2年生の前期の間、伊都キャンパスの新入生サポート室で新入生からの相談に応じます。私は医学学生係の方から推薦を頂いて参加しました。このサポーターシステムは、私たちが初代サポーターで、手探りで進めていく感じもあり、学生係の担当の職員さんに様々な問題を報告や相談をし、みんなでどうやって行くかを話し合って運営していました。新しい団体の運営や改善などはそれまで体験したことがなく、また異なる学科の学生と交流を持つことができ、いい刺激と経験になりました。サポーター同士の交流は4年生になった今も続いています。それから部活では、医学部水泳部のマネージャーを経験しました。
科学英語
科学英語
 また、3年生の夏に神戸で行われた国際免疫学会に行ったことも貴重な経験となりました。 国際学会なので、プレゼンも展示されているポスターもすべて英語で、とても圧倒されました。その後3年生の冬に、生命科学科の授業でも科学英語の授業で、「模擬国際学会」としてポスター展示と英語での発表、質疑応答をしたのですが、これらの経験で、研究を続けていくには英語が不可欠であることを感じました。高校生までは受験英語のみで、実践英語は全く自信がなかったのですが、まずは話し始める勇気を持とうと思うことが出来ました。今は病院キャンパス内で活動しているトーストマスターズというスピーチクラブに参加し、英語力を高めるよう努力しています。
トーストマスターズ
トーストマスターズ
 研究でも、英語の論文を読解する能力がないとその分野に関する情報を得られず、自分の実験をプランニングすることはできません。卒業研究では、指導教員の先生に実験をプランニングして頂いていたのですが、自分で出来るようになるために論文も読み始めています。論文で使われている英単語は難しく、時間はかかるのですが。

これからの進路を教えてください。

 生命科学科を卒業してからは、修士課程に進学します。 研究というものを始めたばかりで、まだ本格的に研究をやっているとは言えません。修士課程に進学し、免疫学について更に多くのことを学んでいきたいと思っています。
  生命科学科では迷った時には先輩が相談に乗ってくださり、自分の経験を交えて話してくれました。生命科学科の小人数ならではの縦のつながりもとてもよかったと思います。

 

最後に研究者を目指す学生にメッセージをお願いします。

 学生のみなさんには、まだ研究というものにあまりイメージが湧かない方も多いかもしれません。しかし、少しでも研究に興味を持たれるのであれば、思い切って飛び込んでみてはいかがでしょうか。
  入学後にこの学部でよかったのかと不安になることは、どの学部でもあるのではないかと思います。私も研究というものを本格的に始めてみて、入学前には見えなかった将来への不安や迷いが出てくることもありました。それでもまだ研究というものを始めたばかりですし、人の役に立つやりがいのあることですので、修士課程に進学して研究という道をもっと進んでみたいと思っています。少なくとも言えるのは、私は生命科学科に入学してよかったと思っています。
  大学に入学すると高校の時と比べて格段に世界が広がります。皆さんもいろいろなことにチャレンジしてください。
 
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